30代を過ぎるとシミやくすみ肌で悩む人が増えますが、すぐに皮膚科や美容クリニックへいって治療を受ける人は少ないのではないでしょうか?
まずは、自宅で美白化粧品を使ったりドラッグストアで購入したサプリメントでケアをする人が多かったりします。
しかし、美白化粧品は「シミを予防すること」はできても「シミを消すこと」はできません。
シミを消したい場合は美容クリニックや皮膚科で治療を受ける必要があります。
シミでクリニックへは行きづらい部分があるかもしれませんが、やはり自己流のケアよりも専門の医師に診てもらった方がシミが改善するのは早いです。
クリニックでおこなわれるシミ治療には、
- 内服
- 外用(ゼオスキン・
- レーザー治療
- 導入系の治療
など様々なものがありますが、どの種類のシミでも基本的には「内服」からスタートします。
今回は内服の中でもシミ治療でよく使われる
- シナール(ビタミンC)
- トラネキサム酸
について効果的な飲み方や副作用についてご紹介したいと思います。
この記事の内容
シナール配合錠(ビタミンC)の肌への効果
シミ・くすみ肌の飲み薬で欠かせないビタミン剤の一つがシナール配合錠です。
シナールはビタミンC(アスコルビン酸)だけではなくビタミンCの働きを助けてくれるパントテン酸が配合されているのが特徴です。
- 抗酸化作用(シミの原因となる活性酸素の発生を抑制)
- シミの元であるメラニンの生成を抑えて予防する働き
- 既にできてしまったシミや色素沈着を薄くしていく働き(美白作用)
- コラーゲンの生成を促進
- 皮脂の分泌を抑えて毛穴改善効果
- 免疫力を高める効果
ビタミンCの肌への効果は多岐にわたりますので、シミやくすみはもちろん肌全体を美しくさせるためにも飲みたい必須ビタミンです。
シナール配合錠の効果的な飲み方
私が勤めていた美容クリニックで患者さんに伝えていた、美容目的のシナールの飲み方はこちらです↓
- 1日の摂取量は1500〜2000mg(1日10錠まで)
- 紫外線が強い時期は摂取量を増やす
- 1回の摂取量は1〜2錠にしてこまめに摂取する
- ビタミンEと併用する
- 肝斑があればトラネキサム酸と併用する
厚生労働省によるビタミンCの安全な上限値は以下の表の通りです。
ライフステージ 安全な上限値 生後12 カ月 設定数値なし 小児1-3歳 400 mg 小児4-8歳 650 mg 小児9-13歳 1,200 mg 10歳代14-18歳 1,800 mg 成人 2,000 mg
シナールには200mgのビタミンCが入っているので、1日に10錠まで飲んで大丈夫です。
量が多くて驚かれる方も多いですが美肌のためには量が必要となります。
また、ビタミンCは水溶性なので、どれだけ摂っても尿として排出されます。
1回量を1〜2錠にしてこまめに摂取することで効率よく吸収されます。
飲むのが大変という場合は、シナールを水で飲むのではなくそままポリポリ食べても大丈夫です。
すっぱいラムネのようで意外と美味しいという方が多いです。
美容ナースの制服のポケットには、シナールのシートが入ってるって方も多いですよ。
シナールの副作用は?
シナールは代謝・排泄が早いため多量に飲んでも過剰反応が起こりにくいビタミン剤になります。
しかし、中にはビタミンCを摂りすぎると、下痢、吐き気、胃けいれんが生じる場合があります。
その場合は、様子をみながら量を調整してみたり医師に相談するようにしてください。
シナール錠以外のビタミンC
忙しくてクリニックにいけない場合は市販のビタミンCを利用することもあります。
その場合もビタミンC含有量のチェックはしっかりおこないます。
ビタミンC タケダ
ビタミンCはクリニック処方のシナール錠を飲むことが多いけど、小さい子供がいるとなかなか行けなくて切らすことも多いのでタケダのビタミンCも愛用。
第三類医薬品でAmazonで注文するとすぐに届くので助かる。
でも、時々は肌を診てもらって色々と相談する事も大切✨ pic.twitter.com/a1F2V7Xf7n
— あさみん@元美容ナースブロガー (@asamin_biyou) 2019年7月8日
手軽に購入できる市販のビタミンCですと「タケダのビタミンC」がシンプルでおすすめ。
1日6錠でビタミンC2000mgです。
トラネキサム酸の肌への効果
トラネキサム酸は人口合成されたアミノ酸で日本では「トランサミン」などの商品名でも販売されています。
もともとは止血剤(出血を止める薬)として開発されましたが、トラネキサム酸の抗炎症作用が肝斑にも効くことがわかり、最近では肝斑治療には欠かせない薬となりました。
肝斑に関してはこちら↓の記事に肝斑チェックの項目がありますので気になる方はぜひチェックしてみてください。
シミは肌細胞の中のメラノサイトでメラニンが大量に作られて留まってしまう状態を指すのですが、トラネキサム酸はこのメラノサイトの活性化を促すプラスミンの働きをブロックするという効果があります。
こちら↓の研究ではトラネキサム酸療法を行った11名の女性の肝斑への有効性が認められました。
肝斑患者11名 に トラネキサム酸0.75~1.5g/日を投与 した。
投与開始後1~2カ月後には、11例全てにおいて着色の軽減を認めた。
引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/skinresearch1959/30/5/30_5_676/_pdf
こちら↓の研究ではトラネキサム酸を1日量1000~1500mg投与したところ、40名のうち38名に改善が認められたと報告されています。
40例にTA(トラネキサム酸)1∼1.5g/日投与したところ著効9例, 有効24例, やや有効5例であり無効は2例のみであった。また効果発現までの期間が4週間以内の例が33例あり比較的短期間のうちに臨床効果をあらわした。肝斑に対する内服療法として, TAの投与は最初に試みられるべき治療法と考えた。
引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishinihonhifu/47/6/47_6_1101/_article/-char/ja/
トラネキサム酸はクリニックの医師によって投与量が異なりますが、私が勤めていたクリニックでは
肝斑治療では1500mg/日
内服することをすすめていました。
医師によっては750mg/日という場合もありますので、内服量はかかりつけの医師と相談するようにしてください。
また、過去の研究によると効果がではじめるのは、4週目以降から言われていますので、まずは1ヶ月を目標に飲むようにしましょう。
トラネキサム酸の副作用
やはり止血剤というお薬ということで副作用を気にされる方が多くみえます。
トラネキサム酸は基本的には副作用が少ない成分とされていますが、止血用に用いられていた成分なので血栓症などで血栓ができやすい人は服用は控えるようにされています。
また、稀にですが食欲不振や吐き気を一時的に起こす人がいるようです。
同成分が配合されている一般薬としては「トランシーノ」という商品がでていますが、
心配な方は医師の診察の上処方してもらうのが一番かと思います。
ちなみに私の知り合いの女医さん(健康な方)は10年以上ずっと飲み続けているけれど特に副作用が出たことはないと言っていました。
私も途中で飲んでいない時期もあったりしますが、トラネキサム酸を7年以上は飲み続けていますが特に副作用は出ていません。
トラネキサム酸の市販薬は?
トランシーノ
第一三共ヘルスからトランシーノというトラネキサム酸配合薬が出ています。
こちらは1日4錠でトラネキサム酸が750mgですので肝斑治療としては少なめで効果が出づらいという医師の見解もあります。
かと言って倍の1500mg飲むとかなりの値段になりますので、トラネキサム酸はクリニックで処方してもらうのが安心ですしコスパ面でも良いと思います。
飲み薬はシミに効果があるのか?
私の体験談
シミやくすみの治療で飲み薬と聞くと
本当に効果はあるの?
飲み続けて大丈夫なの?
と心配される患者さんが多くいます。
内服療法はすぐに効果がでる治療ではないですし、肌は毎日みているとよけいに変化がわかりにくかったりします。
しかし、私自身10年以上の内服を続けてきて言えるのは飲むのと飲まないのとでは効果は断然違います。
私は20代前半から内服療法(主にシナール錠(ビタミンC)とトラネキサム酸を服用)してきました。
まだ若かったので肌トラブルもなかったのですが、仕事柄なんとなく飲んだり飲まなかったりを繰り返しながら飲み続けてきました。
25歳まではほとんど効果はわかりませんでしたが、20代後半にさしかかった時に同年代の友人よりシミやくすみが少ないことに気がつきました。
そして30歳になったときには今の自分の肌は今までの内服療法のお陰だとはっきりと気づく事ができました。
肌診断機ではいつも肌年齢が実年齢よりマイナスに出ますし、友人から「シミ対策はなにをしているの?」とよく聞かれるようになったからです。
私の場合は長期の例ですし、他にも色々な治療を併用しているので純粋に内服の効果だけとは言えませんが、クリニックで内服療法のモニターをされていた患者さん達は内服療法だけでシミやくすみ肌の改善等の効果がでていました。
中には飲み続けていたら効果がわからなくなってきたという方もいますが、何かのきっかけで内服をやめるとその効果を実感できたりします。
私も妊娠・授乳と長期に渡って内服をやめた時は、内服の効果の大きさを実感しました。
また、内服を長く続ける事で他の体への影響を心配される方もいます。
長期の内服が心配な方や持病がある方は医師に相談しながら飲む期間を決めてシミ治療をされることをおすすめします。
レーザー治療の効果を高めてくれる
シミ治療に来る患者さんの中には、レーザーを当てればシミはすぐに消えてなくなると思われている方が多くいます。
しかし、残念ながらシミはレーザーを照射しただけではキレイには消えないのです。
たとえ一時的にシミが消えたとしてもまた同じ箇所に再発したりなんてことがあるのです。
ですので、私が勤めていた美容クリニックではレーザー治療を行う場合も必ず飲み薬を併用してもらっていました。
レーザー治療の副作用を最小限に抑えるために先に内服治療を開始し、肌のコンディションを整えることも行っていました。
そして、レーザー治療が完了した後も再発防止のために内服治療だけはずっと続けてもらうようにしていました。
それくらいシミ治療にとって飲み薬は重要になるということです。
シナール・トラネキサム酸の効果が感じられない場合
シナール、トラネキサム酸の効果的な量や飲み方はわかったけれど、
それでも効果がわかり辛い場合は?
日焼け対策ができていない
せっかくシナールやトラネキサム酸を飲んでいても、日焼け対策が不十分だと今あるシミは濃くなりますし新しいシミができる可能性があります。
シミ・くすみを改善したければ内服やレーザー以前に「日焼け対策」が基本だと私は思っています。
日焼け止めを塗ること、帽子や日傘、 UVメガネ等で紫外線を物理的に遮断することが大事です。
なかなか肌に合う日焼け止めが見つからないと言う方はこちら↓の記事におすすめの日焼け止めがまとめてあります。
肌をこすっている
肌は摩擦を受け続けることで肌を守ろうとする防御機能が働きます。
シミの元であるメラニンが過剰に分泌されたり、皮膚が厚くなる物質が分泌されることがわかっています。
日焼け対策と合わせて肌への触り方も見直してみてください。
まとめ
シミの飲み薬として処方されるものは医師の診断によって変わってはきますが、今回はメインで処方される
- シナール配合錠(ビタミンC)
- トラネキサム酸
について効果と副作用を紹介しました。
シミを改善させるためにはただ単に飲むだけではなく、飲む量・飲み方・日焼け対策・肌をこすらないことも重要となります。
長年かけて出てきたシミはやはりそれなりの時間をかけて治療をする必要があります。
せっかく飲むのなら効率よく飲んでシミの悩みから解放されましょう。
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