こんな悩みを抱えている方に朗報です。
脇の多汗症に対する新しい治療薬の保険適用が認められました。
手術ではなく保険で多汗症の塗り薬が処方してもらえるということです。
その名も「エクロックゲル」です。
脇汗で悩む私もさっそく皮膚科を受診して処方してもらいました。
新薬ということで周りで使っている友人が一人もいなかったため、皮膚科の先生にどんな治療薬なのか?効果や使い方などについて色々と聞いてきました。
脇汗で悩んでいる方でエクロックゲルが気になっている人の参考になればと思います。
この記事の内容
脇汗の新しい処方薬エクロックゲルとは
エクロックゲルは2020年11月に科研製薬株式会社より発売された、脇の多汗症のための新しい治療薬です。
脇の多汗症(診断された方)のみの適応となります。
正式には原発性腋窩多汗症といい、汗の量が多くなる原因となる病気や障害がないのにもかかわらず、多量の脇汗に悩まされる疾患です。
診断基準は以下になります↓
シャツに汗染みができるなど、日常生活に支障をきたすほど多量の腋窩(わき)の汗が、明らかな原因がないまま6ヶ月以上認められ、以下の6症状のうち2項目以上あてはまる場合を原発性腋窩多汗症」と診断されます。
- 最初に症状が出るのが25歳以下であること
- 左右両方で同じように発汗が見られること
- 睡眠中は発汗が止まっていること
- 家族にも同じ疾患の患者さんがいること
- 脇汗によって日常生活に支障をきたすこと
引用元:脇汗治療ナビ
エクロックゲルについてツイッターに投稿したところ、多くの反響をいただきました。
脇汗で悩んでいる方は多いのだと思います。
脇汗で悩んでる方に朗報✨
日本初。保険適用が認められた多汗症用の塗り薬「エクロックゲル」の処方が昨年から開始されてます。多汗症は受診率が非常に低いと言われてるので、これをきっかけに医療機関に気軽に相談できればいいなと思います。
使用感については近々ブログにまとめたいと思います。 pic.twitter.com/YIBXgvM2pn— あさみん@元美容ナース (@asamin_biyou) March 23, 2021
今までの脇汗治療の流れは?
今まで医療での脇の多汗症治療の第一選択は「塩化アルミニウム溶液」でした。
これは自費の外用剤(塗り薬)で保険適応にはなりません。
そして、第二選択がボトックス注射でこれも自費です。
下記の↓日本皮膚科学会の原発性局所多汗症診療ガイドラインを参照ください。
引用元:日本皮膚科学会
ちなみに、私も塩化アルミニウム外用剤の「デトランスα(別名パースピレックス)」という商品を長年愛用してきました↓
今まで使ってきた制汗剤の中で一番脇汗が止まり、臭いも気にならなくなる最強のアイテムです。
そして、何年もリピしてきた制汗剤で、友人に脇汗の相談をされたら1番に紹介するやつです。
し・か・し、この「デトランスα(塩化アルミニウム外用剤)」には肌への刺激が強いといったデメリットがあります。
なので、肌弱さんにとってもエクロックゲルの登場は朗報だと思います。
肌強さんで処方薬にこだわらない方には、脇汗がバシッと止まるデトランスαがおすすめですので、下記記事↓を参考にしてみてください。
エクロックゲルの脇汗を抑える効果とは?
普段、私たちが汗をかくのは、交感神経から放出される汗を出す指令「アセチルコリン」が「エクリン汗腺」に伝わることで汗をかきます。
ですので、逆に言えば、エクリン汗腺がアセチルコリンを受け取らなければ、発汗を抑えることが期待ができるというわけです。
こちらの↓「エクロックゲルを使用する患者さんのための情報サイト」の説明がわかりやすかったです。
エクロック®ゲルの有効成分、ソフピロニウム臭化物には、交感神経から伝えられる汗を出す指令をエクリン汗腺※が受け取れないようにブロックして、発汗を抑制する働きがあります。
※エクリン汗腺は、皮膚の中にある汗をつくる器官のひとつで、主に体温調節のために、水分の多い汗を分泌します。多汗症の症状である多量の汗は、主にエクリン汗腺から出ています。
引用元:エクロックinfo
ちなみに、ボトックス注射はこの交感神経から伝えられる汗を出す指令(アセチルコリン)の放出自体をブロックする働きがあります。
ですので、エクロックゲルと脇汗のボトックス注射の作用機序は似ているといえます。
脇汗のボトックス注射についてはこちら↓の記事に体験談がまとめてあります。
脇汗に対する効果はいつから出るのか?
脇汗に対する効果がでてくるのはエクロックゲルを塗り始めてから約2週間だそうです。
診察を受けた医師によると個人差があるため、2〜3週間は様子をみてねということでした。
エクロックゲル1本で約2週間分ですので、2本目から効果が発揮するということです。
エクロックゲルの正しい使い方
エクロックゲルは1日1回、適量を両脇全体に塗布します。
今まで様々な制汗剤を使ってきましたが、使い方が変わっていて少し面白いです。
商品はポンプ式のボトル・アプリケーター(内ぶた)・キャップ(青色)に分けることができます。
このアプリケーターの上にエクロックゲルをプッシュして乗せて脇に塗ります。
使用手順
- 使用前にわきの水気をタオルなどでよく拭き取る
- アプリケーターの上にエクロックゲルを1プッシュ出す
- アプリケーターを持ってそのまま脇全体に塗り広げる
- もう一方の脇にも同様に塗る
- 薬液が乾いてから服を着る
- アプリケーターをティッシュで拭くか水で洗い流す
引用元:エクロックinfo
ちなみに、私はお風呂上がりに塗っています。
エクロックゲルの副作用について
エクロックゲルは新薬ですので副作用が気になるところです。
科研製薬株式会社によると↓
以下のような症状があらわれたら、使用をやめて、すぐに医師の診察を受けてください。
- 皮膚炎や紅斑、かゆみ、湿疹、あせも
- 口の渇き
- 光をまぶしく感じる など
そのほか、気になる症状があらわれたときは、医師にご相談ください。
引用元:エクロックinfo
ちなみに、私は上記の様な副作用は出ませんでした。
エクロックゲルの値段
エクロックゲルは保険適用になるため、そんなに高くないだろうと考えていましたが…以外とかかりました。
3割負担でエクロックゲル1本(約2週間分)の費用内訳がこちら↓
- 診察料(初診)+処方箋料で約1,100円前後
- お薬代+調剤薬局での調剤料で1,900円前後
- 合計約3,000円程度でした!
2本処方してもらうと4,500円前後でしょうか。
個人的には、愛用しているデトランスαが3,000円前後で購入できて、半年近くはもつので正直なところエクロックゲル高い!と感じています。
【口コミ】効果が出るまでに時間がかかりすぎ(涙)!
日本初の保険適応の多汗症治療薬ということで、少し期待しすぎてしまったところがありますが、正直な口コミを言いますと、、、。
どうしても、愛用の制汗剤、デトランスαと比較してしまうので仕方ないのですが、
- 効果の出始める早さ
- 脇汗を抑える効果
- 臭いを抑える効果
は、デトランスαの方が私は上だと感じました。
というのも、私の場合、エクロックゲルを使い始めて約3週間目でやっと効果が実感できました。
そう、2本目を塗り始めてからです。
1本目までは効果がよく分からずかなり不安を感じましたが、3周目に入ってからは、
「あれ?今日は脇汗気にならなかった」
「服に汗染みできなかった」
という日が増えてきました。
エクロックゲルの効果はピタッと脇汗が止まるよりも、じわじわ効いてくる感じなのかもしれません。
刺激に関しては全く感じなかったのでその点は肌に優しくて良かったです。
あとは、脇汗の量によっても効果の感じ方が違ってくると思いますので、エクロックゲルを使ってみた1人の感想として参考にしてみてください。
また、効果が出るまではこちらの脇汗対策インナーの併用がおすすめです↓
エクロックゲルがおすすめな人は?
まずは多汗症と診断されていることが前提ですが、私が使ってみて思ったのは、
- 肌が弱い人
- 処方薬が安心な人
- 12歳以上の学生さん
エクロッックゲルは12歳以上から使用可能です。
ですので「子ども医療費助成制度」対象であれば自己負担なく処方してもらうことができます。
制汗剤も毎日使うとなると学生さんにとっては金銭的負担になります。
脇汗で悩んでいる学生さんは1度皮膚科や形成外科に相談されることをおすすめします。
まとめ
新しい脇汗の治療薬エクロックゲルについてご紹介しました。
制汗効果を実感できるまで2〜3週間近くかかりますが、肌への刺激が少なく塗りやすい治療薬です。
皮膚科や形成外科などで処方してもらうことができます。
エクロックゲルをきっかけに少しでも脇汗で悩む方が減ると良いなと思います。
なるべく早く脇汗をどうにかしたい!という方にはこちらの記事で紹介している制汗剤デトランスαがおすすめですので、下記記事↓を参考にしてみてください。